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RT-Linuxの構造

RT-Linuxの構造は図2.4のようになっている。
図からわかるよ うにLinuxはRT-Linuxの1つのタスクとして認識されている。
そしてこのタス クとして認識させる方法としてVM(Virtual Machine)を利用してい る。

しかしこれは概念的なものだけで,実際にPCのハードウェア全てをソフトウェア で実現しているわけではない。
システム全てのコピーを用意するのは,ソフ トの用意も実行も大変な作業になり,システムも速度も大幅に低下する。
そ こで,全てをするのではなく割り込みのみを行っている。割り込みに関係のない 命令は,そのまま実マシンに実行させることによって計算速度の低下も最小限に 抑えている。
2.4からリアルタイムプロセスは,カーネル空 間で実行されていることが確認できる。
このことは,リアルタイムプログラ ムの書き方によっては,簡単にシステムを暴走させることができることを示して いる。
RT-Linuxでは,システム全体の処理速度をあげるために,安全性を犠 牲にしているということである。
後述する, ART-Linuxでは,処理速度を犠牲にするかわりに安 全性を確保している。

図 2.4: RT-Linuxの構造



平成15年3月14日