実際にこれらの作業を行う手段には,UNIXと他のOSの間で少し違いがありますが 基本的に同じである。
UNIXは,1969年から1970年にかけて,AT&TBell LboratoriesのKen Thompson氏を中心とする グループによって開発され,研究機関に無料で配付されたのが始まりである。
当時は一部の研究者達だけが使っていたが,現在では他の多くの分野でも利用されている。
またUNIXには多くのバージョンがある。
これはUNIXワークステーションのメーカにより,自社のハードウェアに最適化さ れたUNIXが開発されていったからである。また,ワークステーションだけでなく IBM PC/AT互換機で動作する PC-UNIXと呼ばれるものも開発された。
ただし,各UNIX間の相違はシステム管理部や入出力装置の駆動部に集中している ために,普通にアプリケーションを使っている限りに於いては違いを感じること はない。
またUNIX互換OSの規格として,X/OPENによる XPGとIEEEによるPOSIX が有名である。
UNIXを基盤としたシステムの標準化を図るために1984年に設立された業界団体。 1987年にイギリスに本社を置く会社組織になった。UNIXの標準化 をめぐって対立する2つの勢力,すなわち,AT&T社などを中心と するUNIX International陣営と,IBM社などを中心とするOSF陣営 が歩み寄る形で,両陣営のほとんどの有力メーカーが参加して UNIXの標準化をすすめる団体となった。「UNIX」という商標の権 利はAT&T社からX/Openに移っている。UNIX互換OSが備えるべき 機能をXPGとして発行し,1994年にはXPGをまとめた共通UNIX仕様 のSPEC1170を発表した。共通デスクトップ環境のCDEの標準化を すすめる団体でもある。
1996年にはOSFと合併してThe Open Groupとなった。
UNIXの標準化を推進しているThe Open Groupが発行している手引書。
標準UNIXが備えるべきAPIやコマンドが定められている。
これに従って作成されたアプリケーションソフトはPOSIX認定を受けたOS間で互換性がある。
米国電気電子学会。
会員は,世界130カ国,32万人以上で,エレクトロニクス関係で世界最大の学会。
この学会はAIEE(American Institute of Electrical Engineers:米国電気学会)とIRE(Institute of Radio Engineers:無線学会)を合併し,1963年に創設された。 本部はニューヨークにある。
活動は,通信,コンピュータ部品から医学,生物学,原子物理学にまでわたり, 33の分野ごとの独立した委員会(下部学会)で行なわれている。
コンピュータ分野の委員会には,約10万人の会員が参加しており,この組織の名 を付けたコンピュータの標準インターフェイスやLANの規格など の名称で知られる。
IEEEによって定められた,UNIXベースのOSが備えるべき最低限の仕様のセット。
各社のUNIX互換OSにはそれぞれ独自の拡張や仕様の変更が施され,互換性が失わ れてしまったため,各OS間で最低限の互換性を確保するために定 義された。
アプリケーションソフトがOSの提供する機能を呼び出すための方法(システムイ ンターフェース)などを定義している。
アメリカ規格協会(ANSIANSI)や国際標準化機構 (ISO)でも標準として採用され,アメリカ政府機 関に納入するUNIXシステムが守るべき必須条件となっている。