UNIXにはファイル,ディレクトリ,実行ファイルといった概念が存在する。
このファイル管理方法は,DOSも取り入れており,一般にはDOSの方が有名で あるが,その設計の際,UNIXを参考にしたということである。
DOSでは,同時に実行できるプログラムは1つだけである。
しかし,UNIXでは複数のプログラムを同時に実行できる。
実際にはコンピュータは一度に一つの仕事しかできないが,ごく短い時間で,複 数のプログラムを少しずつ実行することによって,あたかも複数のプログラムが 同時に実行されているようにみえる。
UNIXでは,OSが強制的にプログラムの実行を切替える,プリエンプティブ方式 を採用している。こ れに対し,アプリケーション側が自主的に処理を開放する方式をノンプリエンプ ティブ方式 という。
1台の計算機を同時に複数の利用者で利用することができるように設計されたOS をマルチユーザOSと呼ぶ。
UNIXはマルチユーザOSとなる。
他の利用者から勝手に自分のファイルを変更されたり見られたりすると困るため, ファイルにはそれぞれ権限を設定できる。
これによりファイル毎に詳細な設定を行うことができる。
UNIXでは仮想記憶を利用している。仮想記憶とは,使われる頻度の少ない実メモ リ領域の内容をハードディスクに追い出し,その領域を別の用途に再利用する技 術である。
メモリとハードディスクの間のデータの交換はOSが自動的に行うため,利用者は 気にする必要はない。
プログラムを起動するときに,1度に実行ファイル全ての内容をメモリに読み込 むのではなく,仮想記憶機能を利用して,新しい機能が実行されようとする度に, そのつどファイルからプログラムの部分部分を読み込む機能を要求時ページング と呼ぶ。
要求時ページングを使うと,実際のメモリ容量よりも大きいプログラムも扱うこ とができるようになる。
UNIXでは全ての入出力を1本の管を流れるデータの列と考える。
UNIXには,ある決められた入口(標準入力)からデータを読み込み,処理を行い, 結果を決められた出口(標準出力)へ送り出すプログラムが多数用意されている。 これらを特にフィルタと呼ぶ。
複数のフィルタの入口と出口をうまく接続して,1本のデータの通路を構成する ことで,途中に様々な処理を挟みながら,データを流すことができる。
あるフィルタの出口ともう1つのフィルタの入口を接続することを,パイプライ ンと呼ぶ。UNIXではパイプラインをコマンドラインから簡単に作ることができる。