代表的な理論にはrate-monotonic(RM)と earliest-deadline-first(EDF)がある。
RMでは,ある周期で一定の処理を行うタスクを取り扱う。
周期の短いタスクほど,より優先的に実行する。 プロセッサの処理能力の69%以下ならば全てのタスクは周期的に計算を終了す ることができる。 EDFでは,デッドラインの早いタスクほどより高い優先度が与えられる。
EDFは最適なスケジューリング手法であり,EDFでデッドラインを守ることがで きないのであれば,他のどのようなスケジューリング手法でもデッドラインを守 ることができない。
これらの理論では,タスクがプリエンプティブであること,つまりタスクをいつでも中断し,他のタスクに切替え ることができることが前提としている。
タスクがプリエンプティブでないとスケジューリング自身が大変困難な問題に なり,多くの計算時間を費すことになる。
タスクがプリエンプティブであれば,リアルタイムアプリケーションを理論のモ デルに当てはめて各タスクに割り当てる優先度を決め,優先度の最も高いタスク を実行することによって,各タスクデッドラインを保証することができる。
また,RMやEDFは独立したタスクを取り扱いますが,タスク間通信を行うアプリ ケーションでは,あるタスクが他のタスクの計算結果を利用するため,計算終了 まで待たなければならないことがある。
このように,タスク間通信で同期が必要な場合には,優先度逆転とよばれる現象が発生し,タスクのデッドラインが 保証できなくなることがしられている。