ステッピングモータは起動,停止,位置決めに優れた制御性を持っている。このモータは,パルス発信器からのパルス信号に同期して回転する同期モータである。
回転速度はパルス信号に同期して回転するため,負荷変動による速度変動が無く,与えられた停止位置にピタりととまる。ステッピングモータの特徴は以下の様になる。
ステッピングモータの構造により,1パルスあたりの回転角度(ステップ角)は 決まっている。
1ステップあたりの角度誤差(静止角度誤差)は5#5と非常に高精度である。 また,角度誤差は累積されないので連続的に回転させ,停止させた場合でも誤 差はステップ角の5#5となる。
ステッピングモータは自起動領域において,起動,停止応答性に優れているの で,瞬時正逆転が可能である。しかも起動・停止は駆動回路にパルス信号を入 力するか,止めるか,正逆転ではパルス信号の入力ポートをCW, CCWに変えるだけで簡単に行える。
ステッピングモータはギヤなどの減速機構を使用しなくても,パルス発振器か らのパルス間隔を広くすることにより,超低速の同期回転が可能である。シス テムを簡略化できるとともに,バックラッシュなどの誤差要素を解消できる。
ステッピングモータは巻線に励磁をかけた状態で大きな保持力(最大静止トル ク)を持つ。
ステッピングモータはDCサーボモータのように,エンコーダやタコジェネレー タで常にモータの動作を検出しながら回転速度や位置決めを行うモータと違い, パルス発振器から出されるパルス信号に従い制御を行うため,検出器や演算回 路が必要ない。