そこで,著者が所属する研究室では,電流波形,電圧波形を同時にかつリアルタイムに 計測可能なポリアセタール樹脂筐体を用いた樹脂一体型電圧電流センサが提案さ れ,本センサの問題点・特性の解析が行われてきた。その結果,比較的巻数が多いサー チ・コイルであるにも拘らず,高次高調波の影響があるという問題が確認されて いる[1]。高調波歪みは,電磁波雑音と同様に配電系に 広く拡散し,配電系を介して他所の電子機器の誤動作等の障害になりうるもので あり,目に見えない公害とも言われている。
本研究では,模擬配電系においてフィルタを設計し,電流センサ出力波形から高
次高調波の除去を行った。また離散フーリエ変換を用いて高調波の周波数分析[2,2,2]を行い,原因の追求を行った。