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まえがき


配電途中の電流波形,電圧波形を計測することで,リアルタイムに力率を測定する試 みがある。その際に電流センサ,電圧センサを用いて個別に行われてい るため,電流波形と電圧波形の両方を同時に計測するには,二種類のセンサが必 要であり,計測装置の大型化,設備費用,運用・保守性などの問題が生じている。

そこで,著者が所属する研究室では,電流波形,電圧波形を同時にかつリアルタイムに 計測可能なポリアセタール樹脂筐体を用いた樹脂一体型電圧電流センサが提案さ れ,本センサの問題点・特性の解析が行われてきた。その結果,比較的巻数が多いサー チ・コイルであるにも拘らず,高次高調波の影響があるという問題が確認されて いる[1]。高調波歪みは,電磁波雑音と同様に配電系に 広く拡散し,配電系を介して他所の電子機器の誤動作等の障害になりうるもので あり,目に見えない公害とも言われている。

本研究では,模擬配電系においてフィルタを設計し,電流センサ出力波形から高 次高調波の除去を行った。また離散フーリエ変換を用いて高調波の周波数分析[2,2,2]を行い,原因の追求を行った。


平成15年3月7日